この章では、Tcl/Tkのインストール方法を紹介しています。
Tcl/Tkは、1990年代に有名になった開発環境です。Tcl (Tool Command Language) は、コマンドを組み合わせたスクリプト言語です。Tk (Tool Kit)は、Tclのために作られたGUIフレームワークです。Tkは、その後Python、Ruby、Perlなど多くの言語に GUI 環境として移植されました。またTcl/Tkは、Linux、Windows、macOSで同じソースファイルを実行できます。
Tcl/Tkは、手続き型言語として使われる場合が多いですが、2012年に発表されたバージョン8.6からオブジェクト指向がサポートされるようになりました。このチュートリアルでは、Tcl 8.6を使ってオブジェクト指向で Tcl/Tk GUI アプリケーションを作っていきたいと思います。
Tck/Tk は、お使いのシステムにデフォルトでインストールされている場合が多いです。ターミナルまたは、コマンドプロンプトで次のコマンドを入力してみてください。
tclsh
%
上記のように % が表示されれば、Tclはインストールされています。続けて次のように入力してください。
% puts $tcl_version
% 8.6
上記のように8.6以上が表示されれば、このチュートリアルは実行できます。もし8.5以下、もしくは、tclsh コマンドが実行できなければ、Tcl 8.6をインストールします。tclshを終了するには次のように入力してください。
% exit
なお、バージョンが何であれ tclsh がインストールされている場合は、次のように入力すると、ウィンドウが表示されます。
wish
ウィンドウを閉じると、wishは終了します。
次のサイトから Windows と macOS 用の Tcl 8.6.8.0 インストーラーがダウンロードできます。
ActiveStateなお、Tcl のオフィシャルサイトは次のサイトですが、ダウンロードファイルはソースファイルで用意されていますので、上記のサイトのインストーラーをダウンロードするの方が便利でしょう。
Tcl Developer SiteUbuntuやLinux Mintでは、ターミナルを起動して、次のように入力してください。
$ sudo apt-get install tk-dev
このチュートリアルは、macOS 10.11、Windows 7 64bit、 Linux Mint 18.3 Mate 64bitでテストしています。